Medi-Wing67号を読んで

2017.02.06 Monday

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    JUGEMテーマ:医学生・医大生

     

    以下長文になりますが、ご容赦ください。

     

    民医連では医学部を目指す高校生や医学生向けに

    Medi-Wingという情報誌を発行しております。

     

    できたてほやほやの第67号について感想を書きます。

    人々の健康に与える影響を与えるSDH(社会的決定要因)を

    研究しているハーバード大学のイチロー・カワチ教授へのインタビュー

    と「若者の貧困」についての特集が掲載されております。

     

    イチロー・カワチ教授のインタビューについては続編が出しだい

    コメントしたいと思います。

     

    「若者の貧困」については筑波大学の医学生が神部紅(じんぶあかい)

    さん、首都圏青年ユニオン前委員長にインタビューをしております。

     

    その中で「過労死するほど仕事があって、自殺するほど仕事がない」

    という言葉が出てきます。神部さんによると東証一部上場の日本企業

    で、上位100社のうち7割は、過労死ラインの月80時間の労働を超える

    協定を労働組合と結んでいるとのことです(東京新聞の記事を参照)。

     

    日本の企業は若者たちを殺す気で雇っていると言っていいほど過酷な

    労働を強いているという現状を語っておられます。これについては

    電通において24才の女性が過労により自死され、裁判となったつい最近の

    ニュースを思い出される方もおられると思います。

     

    一方で大学を出ても就職できず、就活自殺というのも増えているそうです。

     

    神部さんは非正規労働者の持っていなければならない基本スペック(能力)

    は「器用さ」と語っております(これは正規労働者にも求められていると思う)。

     

    しかしコミュニケーションや自己表現が苦手な「不器用な」人は社会や会社

    から排除されてしまいます。

     

    またそのような人は社会や会社から排除して良いという論理にさらされている

    という現状もあるそうです。これは「弱い人はいらない」という優生学にも

    つながる危険な考え方です。少し前まで「自己責任論」という言葉がはやって

    いましたね。

     

    話が少しずれます。私たち民医連の医療の特徴として「生活と労働から

    疾病をとらえる」ということがあります。ただ病気だけを治すという考えでは

    根本的な治療はできません。患者さんが病気になるに至った背景などをしっかり

    把握してこそ、患者さんに寄り添った治療ができるからです。

     

    インタビューをした医学生は以下の感想を述べております。

    「僕自身、まだ2か月しか実習をしていませんが本当にいろいろな人がいます。

    DVの被害にあった人、薬害の被害者、過労でうつ病を発した人・・・。

    患者さんの話に耳を傾けながら背景にはどんなことがあるか、いつも悩んでいます。

    自己責任論に終始してしまうことは、医療系学生として、医療関係者として

    言語同断と言わざるを得ません。『おかしい』という直感を持つこと、そこから

    始まるのだと思います。」

     

    このような感覚を持った医学生がぜひ増えてほしいですね。

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